こんにちわ。ハワイ不動産公認取引士のあべかなえです。
税金の話、楽しくはないのですが、気になりますよね。少しおつきあいください。
外国人(アメリカから見た外国人)が米国不動産を売却するとき、キャピタルゲイン税を支払います。売却価格の5%をハワイ州、10%を連邦国税局へ源泉徴収されますが、この税率が2016年2月16日より変わります!
どのように変わるのでしょうか? 今回は、みなさんに知っておいてもらいたい売却時の源泉徴収の仕組みとともにお話したいと思います。固い内容になりますが、これからハワイで不動産投資をお考えの方は、ぜひ読んでおいてください。
重要な2つの税法:ハワイ州のHARPTAと連邦国税局のFIRPTA
ハワイ非居住者、または外国人がハワイの物件を売却するときに源泉徴収される税金には2種類あります。ハワイ州に支払うHARPTA (ハーピタ)。それと、連邦国税局に支払うFIRPTA(ファーピタ)です。
ハワイ州固定資産税法 (HARPTA – Hawaii Real Property Tax Act)
HARPTA (ハーピタ)は、ハワイ州非居住者がハワイの不動産を売却するときに、キャピタル・ゲイン税の支払いを確実にするための法律です。
ハワイ州不動産協会の標準契約書によると、ハワイではエスクロー*が売却価格の5%を源泉徴収するとしています。エスクローは、物件の権利書が譲渡された後20日以内にハワイ州税務局にその金額を納めなければなりません。ただし、権利譲渡前に、売り手に免除が適用され、かつ買い手がその免除の証明を受け取った場合は免除となります。
キャピタルゲイン税の源泉徴収を避けるために、免除が適用するかどうかを確認し、その証明の取得、及び買い手に対しその証明書を提出する、これらのことは全て売り手側がしなければなりませんので注意が必要です。
*エスクロー [不動産取引において、公平な第三者の立場を持つ仲介者としての役割を果たす機関。買主と売主が合意した契約書にそって、代金の取立てや各書類の整備、登記を行います]
外国人不動産投資税法(FIRPTA)
FIRPTA(ファーピタ)は、外国人(個人、企業、組織など)が米国の不動産を売却するときに、キャピタル・ゲイン税の支払いを確実にするための法律です。
ハワイ州不動産協会の標準契約書によると、ハワイではエスクローがこのFIRPTA(ファーピタ)の源泉徴収を行います。原則として、売却価格の10%です。エスクローは、物件の権利書が譲渡された後20日以内に連邦国税局 (IRS)にその金額を納めなければなりません。ただし、権利譲渡前に、売り手に免除が適用され、かつ買い手がその免除の証明を受け取った場合は免除となります。
キャピタルゲイン税の源泉徴収を避けるために、免除が適用するかどうかを確認し、その証明の取得、及び買い手に対しその証明書を提出する、これらのことは全て売り手側がしなければなりませんので注意が必要です。
売却価格が取得時の価格よりも低いときは売却損になりますが、売り手が免除の証明書を取得し買い手に提出しない限り、源泉徴収は行われます。
もし源泉徴収されるべき金額が源泉徴収されない場合、買い手/非譲渡人に対して源泉徴収されるべきその全額、および延滞料、罰金に対し責任が発生します。
ここが少しややこしいのですが、免除の適用がないのに源泉徴収されなかった場合、『じゃ〜、買い手さんに責任もって払ってもらおうじゃないか』ということなんですね。さすが、連邦国税局です。
2月16日より何がどう変わるのか?
今回変更されるのは、FIRPTA(ファーピタ)、連邦国税局に支払うほうの税率です。外国人(個人、企業、組織など)が米国の不動産を売却し、かつ下記のケースに該当する場合、税率が10%から15%へ引き上げられます。
売却額 | |||
30万ドル以下 | 30万ドルを超えるが100万ドル以下 | 100万ドルを超える | |
主な住居として使用していた | 0%* | 10% | 15% |
主な住居ではなかった | 15% | 15% | 15% |
*居住日数などの定義については税理士、または会計士などの専門家に確認してください。
確定申告を忘れずに!
売り手は翌年の4月15日までに確定申告書を行わなければなりません。
確定申告書をすることによって、最終的な税金額が決まります。売却価格が取得時の価格よりも低い場合は売却損がありますね。税金の還付を受けられる可能性もありますので、専門家に相談することをお勧めします。
かたーい話でしたが、知っていて損はありません!
これからも、ハワイ不動産に関する新しい情報、どんどん発信していきます。
ご質問ありましたら、あべかなえまでお気軽にお問い合わせください。
808-228-1716
ここでお話しした内容は情報提供のみを目的としています。法律、会計、及びビジネスのアドバイスを提供するものではありません。また、各個人、組織などの状況によって変わる場合がありますので、具体的な情報については、税理士、会計士など資格を持つ専門家にご相談ください。
参考:Fidelity National Title & Escrow of Hawaii
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